支給制限


支給制限(労災保険法第法12条の2の2条)

支給制限は、支給される業務災害又は通勤災害による保険給付が次の事由に該当した場合に、保険給付の支給を制限するもので、保険者側の対抗手段であり、労働者に注意を促す効果がある。具体的には次のようになる。(通達)

支給制限の事由 対象となる保険給付 内容
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせた場合 全ての保険給付 不支給
労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその原因となった事故を生じさせた場合 休業(補償)給付
傷病(補償)年金
障害(補償)給付
保険給付のつど所定給付額の30%相当額の減額(年金給付については療養を開始した日の翌日から起算して3年を限度)
労働者が正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたとき  休業(補償)給付 1件につき休業(補償)給付の10日分相当額の減額
傷病(補償)年金 1件につき傷病(補償)年金の365分の10相当額の減額
  • 故意の犯罪行為又は重過失並びに療養に関する指示違反があった場合でも、療養(補償)給付、介護(補償)給付、遺族(補償)給付、葬祭料(葬祭給付)及び二時健康診断等給付は支給制限の対象とならない。
  • 「故意」とは、自分の行為が一定の効果を生ずることがわかっていながら、かつ、この結果を認容することをいう。ただし、被災労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる事故については支給制限されない。(通達)
  • 「故意の犯罪行為」とは、事故の発生を意図した故意とはいえないが、その原因となる犯罪行為が故意によるものであることをいう。(通達)
  • 故意の犯罪行為又は重大な過失が支給制限の対象となるのは、事故発生の直接の原因となった行為が、法令(労働基準法、道路交通法等)上の危害防止に関する規定で、罰則の付されているものに違反すると認められる場合である。(通達)
  • 自殺は、一般的には本人が故意に行うものとされ、原則として保険給付の対象にならない。ただし、近年は、自殺についても広範囲にわたり、業務上と認める傾向にあり、自殺が業務上の傷病により発した精神異常のため又は心神喪失の状態において行われた場合のみでなく、業務上における精神的負担が原因でうつ症に陥ったことによる場合、業務上の心理的負荷に起因する精神障害により自殺行為を思い止まる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で行われた場合なども、業務上の災害とされるようになってきた。

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