受給権の保護・保険給付の非課税


受給権の保護・保険給付の非課税(労災保険法第12条の5、6)

(1)退職後の権利(法12条の5,1項)

保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

  • この規定は労働基準法と労働者災害補償保険法に独自のものであり、社会保険にはない規定である。
  • 特別支給金は保険給付ではないのでこの規定は適用されない。ただし、運用上は特別支給金が退職により支給されなくなるようなことはない。
  • 休業(補償)給付も労働者が退職したことによってその受給権が消滅することはない。

(2)譲渡等の禁止(法12条の5、2項等)

原則として保険給付を受ける権利は、譲り渡し担保に供し又は差し押さえることができないが年金たる保険給付については、独立行政法人福祉医療機構法の定めるところにより、独立行政法人福祉医療機構が行う小口貸付の担保に供することができる。

  • 特別支給金は保険給付ではないのでこの規定の適用は受けないので、特別支給金を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し又は差し押さえることができる。

(3)保険給付の非課税(法12条の6)

租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない

  • 公課の禁止の対象となるのは、国税、地方税を問わない(非課税所得扱い)
  • 特別支給金は保険給付ではないのでこの規定の適用は受けないが、国税庁の取扱いとして特別支給金に所得税は課税されない。また、遺族特別支給金については、相続税の課税価格計算の基礎にも算入されない。

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