充当(労災保険法第12条の2)
年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
- 過誤払により返還金債権の金額に充当することができるのは死亡に係る保険給付である。(障害(補償)年金等については充当の対象とならない)
- 「内払」は、年金等の保険給付の支払変更事由(停止、減額、保険給付の変更)が生じたにもかかわらず、停止すべき分、減額すべき分又は保険給付を変更すべき分の保険給付が支払われた場合に、同一人について行われる処理をいい、受給権者の変更を伴わない。一方「過誤払による返還金債権への充当」は、年金たる保険給付の受給権者が死亡したことにより受給権が消滅したにもかかわらず、年金等の保険給付が支払われた場合に、当該死亡に関する他の受給権者について行われる処理をいい、前後の受給権者が異なる。
- 年金たる保険給付の受給権者の死亡に関し、支給される保険給付が2種類あるときは、葬祭料及び葬祭給付以外の保険給付を優先して返還金債権に充当されることとされている。(通達)
- 内払及び充当処理は労災保険の制度内で行われるのであって、国民年金、厚生年金、共済年金とで行われることはない。