新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合、休業手当については一般的には以下のように考えられます。
1 労働者が会社外で新型インフルエンザに感染したため休業させる場合
→ 一般的に「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられるので休業手当を支払う必要はありません。
2 労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合
→ 新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は通常の病欠と同様の取扱いとなりますので休業手当を支払う必要はありません。ただし、例えば体温が37度以上の者は一律に休ませるという措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当するので休業手当を支払う必要があります。
3 労働者が感染者と近くで仕事をしていたためもしくは家族が感染したため休業させる場合
→ 新型インフルエンザに感染している者の近くにおり、濃厚接触者であることなどにより保健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。保健所による協力要請の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
◎ 休業手当(労働基準法第26条)
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない