平成25年10月19日からの最低賃金引き上げについて


東京都内では平成25年10月19日より最低賃金が850円から869円に引き上げられます。
10月19日以降働いたことにより支払義務が生じる賃金について対象となります。

具体的にはいつから引き上げなければならないのか?
例)末締め、翌月10日払いの時給者の場合

10月18日までは850円、10月19日から10月31日までは869円の時給で計算することとなります。
※分けて計算することが面倒で時給を統一するということであれば、1日から31日まで869円で計算しないと違反となります。

最低賃金の種類と制度概要

最低賃金には、上記の地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の2種類があります。

特定(産業別)最低賃金の全国一覧はこちらをご覧ください。

地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

最低賃金の適用される労働者の範囲

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者に適用されます。)。

一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。

  1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
  2. 試の使用期間中の方
  3. 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
  4. 軽易な業務に従事する方
  5. 断続的労働に従事する方

なお、最低賃金の減額の特例許可を受けようとする使用者は、最低賃金の減額の特例許可申請書(所定様式)2通を作成し、所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出する必要があります。

最低賃金額以上かどうかを確認する方法

支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

なお、すべての地域別最低賃金と大部分の特定(産業別)最低賃金は、時間額で定められていますが、一部の特定(産業別)最低賃金は、日額と時間額の両方で定められています。

この日額と時間額の両方が定められている特定(産業別)最低賃金について、日額は日給制の労働者に、時間額は日給制以外の時間給制・月給制などの労働者に従前どおりそれぞれ適用されますのでご注意ください。

(1) 時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

(2) 日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)

(3) 月給制の場合

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

(4) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

(5) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の組み合わせの場合

例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

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