技能習得手当および寄宿手当


技能習得手当および寄宿手当(雇用保険法第36条)

(1)技能習得手当(法36条1項)

技能習得手当は受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(2年を超えるものを除く)を受ける場合に、その公共職業訓練等を受ける期間について支給されるものであり、技能習得手当には受講手当と通所手当がある。

① 受講手当(則57条)

受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けた日について、日額500円を支給するものである。 (上限20,000円)

  • 受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けた日であって、基本手当の支給の対象となる日(自己の労働によって収入を得たことにより基本手当が支給されないこととなる日を含む)について支給されるため、公共職業安定所職業訓練等を受講しない日並びに待期期間中の日、給付制限期間中の日及び傷病手当の支給の対象となる日については支給されない。(法36条3項、行手)
  • 技能習得手当や寄宿手当は、内職収入による減額により基本手当が支給されない日についても支給され得る。

② 通所手当(則59条)

通所手当は、公共職業訓練等を行う施設への通所のため交通機関、自動車等を利用する者に対し、通所距離が原則として片道2km以上である場合に月額42,500円を限度として支給される。

  • 次の日いずれかの日のある月の通所手当の月額は日割り計算で減額された額となる。(行手)
    イ 公共職業訓練等を受ける期間に属さない日
    ロ 基本手当の支給対象(自己の労働によって収入を得たことにより基本手当が支給されないこととなる日を含む)以外の日
    ハ 受給資格者が天災その他やむを得ない理由がないと認められるにもかかわらず、公共職業訓練等を受けなかった日
  • 通所手当の支給額(月額)は具体的には次のとおりである。
    イ 交通機関等利用者等 月額42500円を限度とする実費相当額
    ロ 自動車等利用者 利用距離及び居住地域によって月額3690円、5850円又は8010円のいずれかの額

(2)寄宿手当(法36条2項、則60条2項)

寄宿手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(2年を超えるもの及び特定公共職業訓練等を除く)を受けるため、その者により生計を維持されている同居の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む)と別居して寄宿する場合に、その寄宿する期間について月額10,700円が支給されるものである。

  • 寄宿手当は、公共職業訓練等受講期間中の日についてのみ支給されるものであり、公共職業訓練等受講開始前及び受講終了後の寄宿した日については支給されない。
  • 次に掲げる日のある月の寄宿舎手当は日割計算で減額された額となる。
    a 受給資格者が親族と別居して寄宿していない日
    b 公共職業訓練等を受ける期間に属さない日
    c 基本手当の支給対象(自己の労働によって収入を得たことにより基本手当が支給されないこととなる日を含む)以外の日
    d 受給資格者が天災その他やむを得ない理由がないと認められるにもかかわらず、公共職業訓練等を受けなかった日
  • 受講手当が「公共職業訓練等を受講しない日」について支給されないのに対し、通所手当て及び寄宿手当は「やむを得ない理由がないと認められるにもかかわらず公共職業訓練等を受講しない日」について支給されない。例えば15日未満の傷病、日曜、祝日、訓練校の夏期休暇機関等のために受講しなかった日について受講手当は支給されないが、特定職種受講手当、通所手当、寄宿手当が減額されるわけではない。 (通達)

(3)技能習得手当及び寄宿手当の支給手続(則61条)

技能習得手当及び寄宿手当は、受給資格者に対し、基本手当の支給日又は傷病手当を支給すべき日に、その日の属する月の前月の末日までの分が支給されることとなっておりその支給を受けようとするときは、受講証明書に受給資格者証を添えて管轄公共職業安定所長に提出しなければならない。(ただし、正当な理由があるときは、受給資格者証を添えないことができる。)

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