移転費


移転費(雇用保険法第58条)

(1)支給要件

移転費は受給資格者等が公共職業安定所長の紹介した職業に就くため又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(特定公共職業訓練等を除く)を受けるため、その住所又は居所を変更する場合であって、次のいずれにも該当するときに支給される。

① 待期又は給付制限の期間が経過した後に就職し、又は公共職業訓練等を受けることとなった場合であって、管轄公共職業安定所長が住所又は居所の変更を必要と認めること

② 当該就職について、就職準備金その他移転に要する費用が就職先の事業主から支給されないとき、又はその支給額が移転費の額に満たないとき

③ その者の雇用が1年未満でないこと

④ 出稼労働者のように毎年循環的に離職、再雇用を繰り返す者が離職前と同様の状態で雇用された場合でないこと

⑤ 移転費の支給処分が取り消され、既支給金額の返還を請求された者については、当該既支給金額の全額を返還していること

  • 就職先の事業主から、就職準備金その他移転に要する費用が支給される場合にあっては、その支給額が移転費の額に満たないときは、その差額に相当する額が移転費として支給される。(則91条)
  • 待期期間中及び給付制限期間中に移転費が支給されることはない。
  • 離職理由による給付制限を受けている受給資格者が待期又は給付制限の期間が経過した後に、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受けるため、その住所又は居所を変更する場合でも移転費は支給される。(給付制限が解除されるため)
  • 移転費は受給資格者だけでなく、特例受給資格者及び日雇受給資格者についても支給される。

(2)移転費の種類

移転費には次の5種類がある。

① 鉄道賃  ② 船賃  ③ 車賃  ④ 移転料  ⑤ 着後手当

(3)支給額

移転費の額は、受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む)の移転に通常要する費用を考慮して、厚生労働省令で定めるとされており、具体的には次のようになる。

① 鉄道賃、船賃、車賃及び移転料

これらは、移転費の支給を受けることができる者及びその者が随伴する親族等について、その旧居住地から新居住地までの区間の順路によって計算された額が支給される。

  • 鉄道賃は、普通旅客運賃相当額(一定距離以上に限り、普通急行料金又は特別急行料金相当額を加えた額)が支給される
  • 船賃は、2等運賃相当額(鉄道連絡線にあっては、普通旅客運賃相当額)が支給される。
  • 車賃は、1キロメートルにつき37円が支給される。
  • 移転料は、移転の距離区分ごとに一定額(93000円~282000円)が支給される。

② 着後手当

着後手当は、移転費の支給要件に該当する限り鉄道賃等とともに支給され、その額は親族を随伴する場合は38,000円、親族を随伴しない場合は19,000円である。

(4)受給手続

① 支給申請

移転費の支給を受けようとする受給資格者等は、移転の日の翌日から起算して1箇月以内(天災その他やむを得ない理由があるときは、当該理由がやんだ日の翌日から起算して7日以内)に移転費支給申請書に受給資格者証等を添えて管轄公共職業安定所長(日雇受給資格者については職業を紹介した公共職業安定所安定所長若しくは就職先の事業所の所在地を管轄する公共安定所長又は公共職業訓練等の受講を指示した公共職業安定所長若しくは公共職業訓練施設等の所在地を管轄する公共職業安定所長)に提出しなければならない。

  • 就職したことにより移転費の支給を受けた受給資格者等は、移転費支給の際に交付された移転費支給決定書を就職先の事業主に提出しなければならず、移転費支給決定書の提出を受けた事業主は、移転費支給決定書に基づいて移転証明書を作成し、移転費を支給した公共職業安定所長に送付しなければならない。(則94条)

② 移転費の返還

移転費の支給を受けた受給資格者等は、次の場合にはその事実が確定した日の翌日から起算して10日以内に移転費を支給した公共職業安定所長にその旨を届け出るとともに、その支給を受けた移転費に相当する額を返還しなければならない。

a 公共職業安定所の紹介した職業に就かなかったとき
b 公共職業安定所の指示した公共職業訓練等を受けなかったとき
c 移転しなかったとき

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