高年齢求職者給付金(雇用保険法第37条の3~5)
(1)高年齢受給資格(法37条)
高年齢受給資格要件は受給資格者要件と同様である。すなわち、以下の3つの要件を満たした高年齢継続被保険者が高年齢受給資格者となる。
① 離職による被保険者資格の喪失の確認を受けたこと
② 失業の状態にあること
③ 算定対象期間に被保険者期間が通算して6箇月以上あること
- 算定対象期間及び算定対象期間の延長、被保険者期間の計算方法は、一般被保険者の基本手当の場合と同様である。
(2)受給手続
① 高年齢受給資格の決定(則65条の4、5)
管轄公共職業安定所長は、離職票を提出した者が高年齢受給資格者であると認めるときは失業の認定日および高年齢求職者給付金の支給日を定め、その者に知らせるとともに、高年齢受給資格者証に必要な事項を記載したうえ、交付しなければならない。
② 失業の認定(則65条の5)
高年齢受給資格者は、失業の認定を受けるときは、失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭し、高年齢受給資格者失業認定申告書に高年齢受給資格者証を添えて提出したうえ職業の紹介を求めなければならない。
- 高年齢求職者給付金の受給手続は、基本手当の受給手続とほぼ同様であるが、次の点で異なっている。
a 高年齢求職者給付金は一時金であるので、失業の認定は管轄公共職業安定所長がその者の求人、求職の動向を勘案して定める日1回のみである。
b 自己の労働による収入があっても減額されない。
c 失業の認定日に失業の状態にありさえすれば支給され、翌日から就職したとしても高年齢求職者給付金を返還する必要もない。(行手) - 待期、未支給給付、給付制限、返還命令等については、受給資格者の場合と同様である。
- 管轄公共職業安定所長は、必要があると認めるときは高年齢受給資格者に係る失業の認定日および支給日を変更することができる。
- 高年齢受給資格者が、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日までに高年齢求職者給付金の支給を受けることなく再就職し、その後再離職した場合には、前の高年齢受給資格に基づき高年齢求職者給付金を受けることができる。(再就職後の被保険者期間により新たに特例受給資格を取得した場合を除く)
(3)支給額(法37条の4)
高年齢求職者給付金の額は、高年齢受給資格者を受給資格者とみなして基本手当の日額の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額(離職した日の賃金を基礎とするのであって、60歳到達時の賃金を基礎とするのではない。)に、次の表に掲げる日数を乗じて得た額である。ただし、失業の認定のあった日から、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日(受給期限日)までの日数が次の表に掲げる日数に満たない場合は、当該、失業の認定のあった日から受給期限日までの日数に相当する日数を乗じて得た額となる。
算定基礎期間 | 日数 |
---|---|
1年未満 | 30日分 |
1年以上 | 50日分 |
- 賃金日額の算定方法は受給資格者の場合と同様であり、従って最低限度額・最高限度額の適用はあるが、この場合の最高限度額は、30歳未満の者に適用される額となる。なお、最低限度額は一般被保険者と同様である。