賃金台帳(労働基準法第108条)
賃金台帳は、各事業場ごとに調整し、賃金支払の都度遅滞なく、労働者の各人ごとに次の事項を記入しなければならない。(則54条1項)
- 賃金の計算の基礎となる事項
- 賃金の額
- 氏名
- 性別
- 賃金計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 延長時間(残業時間)数、休日労働時間数及び深夜労働時間数
- 基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
- 賃金の一部を控除した場合には、その額
- 給与明細書は、「労働基準法」上は従業員への発行が義務づけられていない。
ただし、所得税法、雇用保険、健康保険法、などにおいて発行・計算書の作成が義務づけられている。 - 上記⑦の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない。(則54条3項)
- 日日雇い入れられる者については、労働者名簿の調製義務は課されていないが、賃金台帳は、日日雇い入れられる者を含むすべての労働者について調整になければならない。ただし、1箇月を超え引き続き使用される者を除き、上記⑤の賃金計算期間を記入する必要はない。(則54条4項)
- 使用者は、労働者名簿及び賃金台帳を合わせて調整することができる。(則55条の2)
- 組合に使用され、組合から賃金を受ける組合専従者の賃金台帳は、当該組合にも備え付けなければならない。(通達)
- 法41条該当者については、⑦、⑧については記入しなくてもよい(則54条5項)が、深夜労働時間数は記入するよう指導されている。(通達)
- (基本給、手当その他賃金の種類毎にその額)の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない(則54条3項)。
- 賃金の増額についての労使間の交渉が8月に決着し、4月に遡って賃金が増額されることとなった場合に、4月から7月に支給した旧賃金との差額を8月に一括して支払ったとき、その追加額については、過去4ヶ月間の賃金台帳であることを明記して、8月分の台帳賃金の種類による該当欄に記入する。(通達)
- 賃金台帳の必要記載事項を分割して別紙に記載し、数冊の賃金台帳とする場合には、同一労働者について賃金台帳記載事項に監視、総合的に監督し得る(例えば、所定時間外割増賃金のない労働者については、早出残業時間数がないことが直ちに判明する如き)ものであれば差し支えない。
- 賃金台帳に始業・終業時刻や休憩時間数を記載しなければならないわけではない。