非常時払い


非常時払(労働基準法第25条)

使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。 

その他厚生労働省令で定める非常の場合とは?(労働基準法施行規則第9条)

①労働者の収入によって生計を維持する者が出産し、疾病にかかり、又は災害を受けた場合
②労働者の収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合
③労働者の収入によって生計を維持する者がやむを得ない事由により1週間以上にわたって帰郷する場合

  • 本条は、労働基準法第24条の一定期日払に対する例外規定である。なお、支払わなければならない賃金は、既往の労働に対する部分であり、未だ労務の提供の無い部分についてまで支払う必要は無い。
  • 「疾病、災害」は、業務上の疾病、負傷であると死傷病であるとを問わない。また洪水、火災等による災厄も災害に含まれる。
  • 「労働者の収入によって生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限らず、労働者の収入で生計を営むものであれば、親族でなく同居人であっても差し支えないが、親族であっても独立の生計を営むものは含まれない。

 

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