時間計算


時間計算(労働基準法第38条)

労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。等

(1)2以上の事業場で労働する場合(法38条1項)

事業場ごとの労働時間は通算される。

(例)労働者が1日のうち、A事業場で5時間、B事業場で5時間労働した場合は、1日の労働時間は10時間として計算され、B事業場は2時間分の時間外労働に対する割増賃金を支払わなければならない。

  • 「事業場を異にする」とは事業場内労働(内勤)と事業場外労働(外勤)をする場合だけでなく、事業主を異にする場合も含む。(通達)
  • 後で労働させた事業主は法33条又は36条に基づき法定の手続をとっていなければならない。(通達)

(2)坑内労働の場合(法38条2項)

労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を休憩時間も含め、労働時間とみなされる。ただし、この場合、休憩時間を一斉に与え、自由に利用させるという原則は排除される。

  • 使用者が一団として入坑及び出坑する労働者に関し、その入坑開始から入坑終了までの時間について所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、法38条2項の規定の適用については、入坑終了から出坑終了までの時間を、その団に属する労働者の労働時間とみなすことになっている。(則24条)
  • 「入坑開始」とは人車の最先端が坑口を通過する時刻を、「入坑終了」とは、人車の最後が坑口を通過する時刻をいう。(通達)
  • 坑内労働者の労働時間は、坑内における労働時間に限られず、抗外における作業準備又は終了に必要な整理整頓の時間であっても、それが使用者の作業指揮下で行われれば、当該労働時間に含まれる。(通達)
  • みなし労働時間制に関する規定は、年少者や妊産婦の労働時間に関する規定にかかる労働時間の算定については適用されない。つまり、年少者や妊産婦についてもみなし労働時間制の下で労働させることはできるが、例えば、年少者の労働時間の算定についてはみなし算定することは出来ず、通常の算定方法で算定した上で労働基準法の年少者に関する制限を守らなければならないし、年少者を禁止されている深夜業に就かせることは出来ない(通達)
  • みなし労働時間制が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は除外されない。つまり、みなし労働時間制を採用しているからといって、休憩や休日を与えなかったり、休日労働や深夜業に対する割増賃金を支払わなかったりするようなことはできない(通達)

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