労働基準法上の賃金とは?(労働基準法第11条)
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
- 次に掲げるものは前記によって支給条件が明確でないので賃金とならない。したがって平均賃金算出時の基礎には含めない。
① 任意的、恩恵的給付
退職金(手当)、結婚祝金、病気見舞金,死亡弔慰金、災害見舞金等 ただし、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされており、それに従い使用者に支払い義務が生じるものは賃金である。
② 福利厚生的給付
住宅貸与、食事供与、生命保険料補助金等 ただし、住宅貸与の場合においては、貸与を受けないものに対して一定額の均衡手当が支給されているときは、その均衡相当額は賃金とされる。
③ 企業設備、業務費的なもの
制服、作業服、作業用品代、出張旅費、社用交際費など
- 休業補償は、労働基準法で平均賃金の100分の60と規定されているが、これは労働基準法第1条の規定により最低基準と考えるべきで、事業場で休業補償として平均賃金の100分の60を上回る制度を設けている場合は、その全額を休業補償として賃金には含まない。(通達)
- 「休業補償」は「賃金」ではないが「休業手当」は「賃金」に該当する。
- 労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等の本人負担分を含む。)を事業主が労働者に代わって負担する場合は、これらの労働者が法律上当然生ずる義務を免れるわけであるから、この事業主が労働者に代わって負担する部分は賃金とみなされる。(通達)
- チップは旅館従業員等が客から受け取るものであり、賃金ではない。ただし、チップに類するものであっても、使用者が奉仕料として一定率を定め、客に請求し、収納したものを、一定期間ごとに締め切って、その奉仕料の収納のあった当日に出勤した労働者に全額を均等配分している場合には賃金となる。(通達)